売掛債権を譲渡して資金を調達するファクタリング。ファクタリングはファクタリングサービスを提供している業者を介して行うことが一般的ですが、業者によって手数料やサービス内容が異なります。
そこで今回は、ファクタリングとは何かや適切な業者の選び方をご紹介します。
ファクタリングとは資金調達手段
ファクタリングとは、ファクタリングサービスを提供している業者に売掛債権を売却して資金を調達する、資金調達手法の一種です。
通常、売掛金が現金で入金されるまでには時間がかかります。そのため売掛債権が増えると、資金繰りに問題が生じるなどのトラブルになることもあります。そこでファクタリングを活用すれば売掛債権を即日現金化できるため、売掛金が入金されるまでに生じる問題を解消できるのです。
ファクタリングを利用するためには手数料がかかり、売却した売掛債権の総額から手数料を差し引いた金額を受け取れます。
ファクタリングは違法ではなく適法
ファクタリングは適法です。そのため、正常なファクタリングであれば行っても問題にはなりません。
金融庁は「ファクタリングに関する注意喚起」を発表しています。そのため、中にはファクタリングにマイナスなイメージを持っていたり、「違法だから活用できない」と考える方もいます。しかし、ファクタリング自体は違法ではないため活用しても罪に問われることはありません。
ただし、個人向けのファクタリングである「給与ファクタリング」や、ファクタリング契約と見せかけて別の契約を交わす「偽造ファクタリング」は思わぬトラブルに巻き込まれる危険があるため、利用を避けましょう。
ファクタリングは借入金ではない
ファクタリングは借入金ではないため、利用しても返済する必要はありません。ファクタリングは、売掛債権をファクタリング業者に売却して現金化するサービスであるため、借入金としては扱われず、返済の義務はありません。
ファクタリングで得た資金を借入金と考える方も少なくありませんが、ファクタリングと借入を混同してしまわないよう、ご注意ください。
ファクタリングは経済産業省の法改正を受けて注目されている
売掛債権の活用は経済産業省も推奨しており、風評被害の防止や譲渡禁止特約の解除など、さまざまに手を尽くしています。理由としては、中小企業を支援するための制度である「売掛債権担保融資保証制度」を創設したものの、中々普及していないためです。
経済産業省は売掛債権の活用が行いやすいよう、債権法を2020年の4月に改正しました。
現在、法改正の影響を受けて注目を浴びているのが、売掛債権を活用する方法の1つであるファクタリングです。
参考:経済産業省「中小企業庁:売掛債権の利用促進について」
ファクタリングの種類
ファクタリングは主に2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングがあります。ここからは、両者の違いを解説しながら、買取型と保証型の違いについてもご紹介します。
2社間で契約する2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、ファクタリング会社とファクタリングを利用する会社の2社間で契約するファクタリングのことです。2社間でファクタリングを完結できるため、取引先にファクタリングの利用を知られることがないというメリットがあります。
2社間ファクタリングは以下の流れで行われます。
- ①売掛金が発生する
- ②利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を依頼する
- ③審査に通過したら、利用者に対して取引条件が提示される
- ④利用者が条件に合意したら売掛金を売却する
- ⑤手数料を差し引いた代金を受け取る
- ⑥売掛金を回収したらファクタリング会社に渡す

3社間で契約をする3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、利用者、ファクタリング会社、取引先の3社で行うファクタリングのことです。取引先がファクタリング会社に直接売掛金を支払うことから、利用者にとっては手数料が安い、ファクタリング会社にとっては回収リスクが減るというメリットがあります。
そんな3社間ファクタリングは以下の流れで行われます。
- ①売掛金が発生する
- ②利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を依頼する
- ③ファクタリング会社が利用者に取引条件を提示する
- ④利用者が取引条件の確認後合意したら、取引先の承諾を得た上で3社で契約を締結する
- ⑤売掛債権の売却、及び手数料を差し引いた金額を受け取る
- ⑥取引先がファクタリング会社に売掛金を支払って完了

買取型と保証型の違い
ファクタリングは、買取型と保証型に分けられることがあります。
買取型とは、売掛金を売って現金化するファクタリングのことです。売掛債権を売却する契約を結んだ上で、売掛金を回収する前に売却して現金化します。その後、売掛金を回収し次第ファクタリング会社に振り込みを行い取引が完了するため、資金調達を目的としたファクタリングです。
一方で保証型とは、債務者が倒産した場合に売掛金の一部を保証してもらうファクタリングのことです。売掛金の繰上げ回収はできませんが、売掛金の回収リスクを減らせます。
ファクタリングが利用されるケース
ファクタリングは資金調達で利用されることが多いです。例えば、以下のケースで利用されています。
上記はあくまでもイメージですが、このように売掛金を回収するまでの材料費や人件費に充てるという理由や、銀行から資金を借り入れられない企業がファクタリングをよく利用しています。
ファクタリングを活用するメリット
ファクタリングを利用することで、以下のメリットが得られます。
・決済期日前に現金化できる
・資産状況の審査がない
・貸借対照表に影響しない
・回収不能でも返金する必要がない場合が多い
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
決済期日前に現金化できる
一つ目のメリットは、決済期日前に現金化できることです。
売掛金を回収する場合、取引条件によっては回収期間が長くなるケースがあります。しかし、ファクタリングは売却後すぐに現金化できるため、迅速な現金化が可能です。
資産状況の審査がない
二つ目のメリットは、資産状況の審査がないことです。なぜなら、ファクタリングは売掛債権を売却する取引であり、現金を借り入れる取引ではないからです。
資産状況の審査がないということは、スタートアップ企業も利用できる他、保証人や担保を準備する必要がありません。そのため、気軽に利用しやすくスムーズに現金化できます。
貸借対照表に影響しない
貸借対照表に影響しないというメリットもあります。なぜなら、ファクタリングは売掛債権を現金化する取引だからです。
売掛金を現金化する取引ということは、貸借対照表において借入金にはなりません。つまり、ファクタリングをしても負債が増えることはなく、貸借対照表に影響が出ずに取引することが可能です。
回収不能でも返金する必要がない場合が多い
最後に、回収不能でも返金する必要がない場合が多いというメリットもあります。なぜなら、前述の通りファクタリングはあくまでも売掛債権を売却する取引だからです。
売掛金は、取引先が倒産してしまうと回収できなくなります。しかし、ファクタリングは償還請求権がない契約であることがほとんどのため、ファクタリングを利用した会社が負担して返金する必要はありません。
ただし、中には取引先が倒産すると返金しなければならないという契約条件を設けているファクタリング会社もあるため、この場合は利用者が負担しなければなりません。
ファクタリングを活用するデメリット
ファクタリングの利用にはさまざまなメリットがある一方で、手数料が高くなりやすい、債権譲渡登記を行うケースがあるといったデメリットがあります。ここからは、ファクタリングを利用するデメリットを2つご紹介します。
手数料が高くつく場合がある
まず、手数料が高くつく場合があるというデメリットがあります。
銀行から融資を受けた場合の金利や、手形割引の割引率に比べるとファクタリングの手数料は割高になる傾向にあります。
債権譲渡登記を行うケースがある
債権譲渡登記を行うケースがある点もデメリットです。
債権譲渡登記をすれば、登記情報を調べれば売掛金の所有権が移動したことが判明します。もし取引先に売掛債権が移動したことを知られたくない理由がある場合には、債権譲渡登記が必要でない企業を探しましょう。
買取型ファクタリングを利用する際の注意点
買取型ファクタリングを利用する際は、取引先との契約書に債権譲渡禁止の記載がないか注意しましょう。2020年4月の法改正により、譲渡禁止特約が定められている債権の譲渡も可能になりました。しかし、今でも譲渡禁止特約が定められた売掛債権を買い取っていない業者は存在するため、注意が必要です。
また、ファクタリングは2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに大別され、それぞれで取引の流れや手数料が異なるため、それぞれの特徴を把握しておくことも大切です。
危ないファクタリング会社を見抜くポイント
ファクタリング会社の中には、悪徳業者も存在します。
以下は、悪徳なファクタリング会社の特徴とされるポイントです。ファクタリング会社を選ぶ際にはこれらの点に注意しましょう。
・年率換算で数百%にもなる金利
・回収を売主に委託している
・分割払いなど融資のような表現が使われている
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
年率換算で数百%にもなる金利
まず、悪徳なファクタリング会社からは年率換算で数100%にもなる膨大な金利を請求されるケースがあります。
莫大な金利が付与される理由としては、保証料や手付金の請求が行われたり、買取契約のはずが債権を担保とした貸付とされており、手数料と利息の両方を請求されたりする手口が原因です。
優良なファクタリング会社は、契約前に手数料の目安を教えてくれたり、取引がオンラインで完結したりするため、手数料の目安が不透明な場合には注意しましょう。
回収を売主に委託している
回収を売主に委託している場合も悪徳業者である可能性が高いです。優良なファクタリング会社は債権回収を自社で行い、万が一取引先が倒産しても利用者に請求することはありません。しかし、悪徳業者は取引先が倒産したら損害賠償を請求したり、債権の買戻しを要求します。
分割払いなど融資のような表現が使われている
最後に、融資のような表現がある場合も注意が必要です。融資のような表現とは、分割払いや利息などを指します。これらの融資のような表現は、優良なファクタリング会社では使いません。
特に、分割払いという単語には注意が必要です。なぜなら、回収できた債権を分割してファクタリング会社に支払う状態は、融資への返済とみなされ違法となるためです。
分割払いを含む融資のような表現を使っている会社は、違法行為を行っている可能性があります。
トラブルに巻き込まれないためにも利用を避けましょう。
ファクタリング会社の選定ポイント
現在、さまざまなファクタリング会社がありますが、ファクタリング会社を選ぶ際には以下のポイントを確認しましょう。
・妥当な手数料か
・スピーディーに現金化できるか
・量も利用範囲額
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
妥当な手数料か
まずは、妥当な手数料かを確認しましょう。手数料は高くても20%までが妥当です。30%程度になると手数料が高額すぎるため、他の会社を選ぶことが無難でしょう。
スピーディーに現金化できるか
スピーディーに現金化できるかも確認しておくべきポイントの1つです。ファクタリングをする目的は、殆どの場合資金調達です。急ぎで資金が必要な場合の調達手段がファクタリングなのですから、対応が素早くなければ意味がありません。
現金化にかかる時間はファクタリング会社によって異なるため、スピーディーに現金化できるかの確認は必須と言えるでしょう。
利用範囲額
ファクタリングの利用範囲額は会社ごとに異なるため、利用範囲額の上限を確認しておくことは最も大切と言えます。
手数料と対応は申し分ない場合でも、自身が現金化したい売掛債権の額がファクタリング会社の利用範囲額を超えていた場合には、そのファクタリング会社を利用できません。
利用範囲額の確認は、必ず事前に済ませておきましょう。
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