請求書を買い取ってもらい、売掛金の回収前に現金化できるサービスを請求書買取(ファクタリング)と呼びます。請求書買取サービスを利用すれば、資金繰りの改善につながります。
しかし、いざ請求書買取をしてもらおうと会社を探すと、さまざまな会社が存在するため、どの会社を選べばいいかわからない場合があります。
そこで今回は、請求書買取のメリットとデメリット、サービス会社の選び方について解説します。
そもそも「請求書買取」とは
請求書買取とは、請求書を買い取ってもらうことで現金化する資金調達の方法です。別称を「ファクタリング」と呼びます。サービス会社に買い取りを依頼し、請求書買取が成立すれば、売掛金を決済期限前に現金化できます。
請求書買取はもともとイギリスで生まれ、日本では銀行系や独立系の会社がほとんどでした。近年では、オンラインで完結できる会社も増えており、気軽に利用しやすい環境が整ってきているため、新たな資金調達の方法として注目が集まっています。
請求書買取サービスの仕組み
請求書買取は、大別して2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに分けられます。ここからは、それぞれの仕組みと流れを解説します。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、依頼者とサービス会社の2社で行われる請求書買取です。
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1売掛債権を請求書買取サービス会社に売却する
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2手数料を差し引いた売却代金を受け取る
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3取引先から売掛金を回収する
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4回収した売掛金を請求書買取サービス会社に支払う
ファクタリングをしたことを取引先に知られないため、取引先との信頼関係に影響が及ばないというメリットがあります。
3社間ファンタリング
3社間ファクタリングとは、依頼者とサービス会社に取引先も加えた3社で行われる請求書買取です。
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1売掛債権をサービス会社に売却する
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2手数料を差し引いた売却代金を受け取る
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3取引先がサービス会社に売掛金を支払う
取引先を加えることで、売掛金をサービス会社に直接渡すことができる分、手数料が安いというメリットがあります。ただし、取引先の合意が必要であり、取引先の信頼を損ねてしまう可能性があります。
請求書買取サービスの安全性
「請求書買取サービスを利用したいが、安全性は確かなのか」と、不安を抱かれる経営者の方は少なくありません。しかし、請求書買取サービスは法律に違反しない資金調達方法であるため、安心してご利用いただけます。
多くの会社は安全性が高いといえますが、ごく一部の個人向け給与ファクタリング業者や高額な手数料を請求する悪徳業者は残念ながら存在します。そのため、安全な会社を見極めて、サービスを利用することが大切です。
サービス会社の選び方については、後述で詳しく解説します。
請求書買取サービスを利用するメリット
請求書買取サービスを利用することには、以下のメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
資金繰りの改善に役立つ
請求書買取を依頼すれば売掛金を早期回収できるため、資金繰りの改善に役立ちます。
資金に余裕がない企業の場合、売掛金が回収できるまで運転資金が確保できなかったり、次の注文が入っても材料費を買う資金がなかったりというケースがあります。そのような場面で請求書買取サービスを利用すれば、早急な資金調達ができます。
保証人や担保が不要
保証人や担保が不要という点も、請求書買取を利用するメリットです。
金融機関の融資には、連帯保証人や担保が必要です。そのため、「連帯保証人や担保が準備できなくて融資や借入を受けられなかった」というケースもあります。
しかし、請求書買取の利用には保証人や担保が不要なため、それらを準備する負担がなくなります。融資や借入が受けられない状況では、請求書買取で資金調達する方法があることを覚えておきましょう。
借り入れにならない
請求書買取はあくまでも売掛債権を売却する取引であるため、請求書買取は借入にならないというメリットがあります。
借入が発生すると信用情報に悪影響を及ぼしたり、決算や確定申告の際に借入金を負債として計上しなければなりません。しかし、請求書買取は借入ではないため、そのような手間をかけずに資金を調達できます。
償還請求権がない
請求書買取には、償還請求権がないというメリットもあります。
通常、売掛金は取引先が倒産すると回収できなくなります。しかし、請求書買取サービスを利用した場合、多くの場合償還請求権なしで契約できるため、万が一売掛先からの入金が不能になったとしても、利用者に対して売掛金の売却で得た現金の返還を請求されることはありません。
赤字決算や税金の滞納があっても利用できる
請求書買取の審査では売掛先の信用力・売掛金を支払うまでの期間・売掛債権の種類・売掛先の信用力などが重視されるため、赤字決算や税金の滞納があっても、利用できるという点が請求書買取のメリットです。
融資の場合は、企業の信用情報が審査基準となり、赤字決算や税金の滞納がある企業の信用性は低く、融資が受けられないというケースが少なくありません。一方で、請求書買取は融資とは審査基準が異なるため、赤字決算や税金滞納があっても利用可能です。
請求書買取サービスのデメリット
請求書買取にはメリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
融資よりも手数料が割高
請求書買取は融資と比べて未回収リスクが高いため、融資よりも手数料が割高になる傾向があります。
請求書買取にかかる手数料は、利用する会社やファクタリングの種類ごとに異なります。ただし、多くのケースでは、融資よりも割高な手数料が設定されています。
現金化のスピードや手間よりも手数料にこだわりたい場合は、請求書買取以外の資金調達方法を検討した方がよいでしょう。
ケースによっては債権譲渡登記が必要
債権譲渡登記の有無は、会社によって異なります。債権譲渡登記が必要な場合は法務局などに申請する必要があり、手間や登記のために費用がかかります。債権譲渡登記にかかる費用は7,500円以上です。
また、債権譲渡登記をすると登記情報を第三者に見られる可能性があり、取引先に知られると信頼関係に影響を及ぼすリスクがあります。サービス会社を探す際には、債権譲渡登記の有無を確認しておくことをおすすめします。
売掛金の範囲内でしか資金調達ができない
請求書買取では請求書に記載されている額面から手数料を引いた額以上の資金調達ができないため、売掛金の範囲内でしか資金調達ができないというデメリットがあります。
保証人や担保が不要で気軽に利用できるというメリットがある一方で、十分な売掛金がなければ資金調達ができないというデメリットがあることを把握しておきましょう。
請求書買取サービス会社の選び方
請求書買取の手数料や債権譲渡登記の有無は、会社によって異なります。また、サービス会社の中には、高額な手数料を請求する悪徳業者も存在します。優良な会社を選ぶために、以下のポイントを押さえておきましょう。
買取可能限度額を確認する
買取できる限度額は、会社の規模によって異なります。そのため、買取を希望する金額が対応可能かについて事前に問い合わせて確認しておきましょう。
手数料と掛け目を確認する
リスクに応じて手数料が変動するため、手数料と掛け目を確認しましょう。
請求書買取サービスにおける掛け目とは、売掛債権の金額に対する担保評価の割合を指します。100万円の請求書(売掛債権)をサービス会社に譲渡する場合、その企業の掛け目が70%の場合は、70万円で買い取ってもらうことが可能です。
手数料は会社によって異なります。一般的な相場は2社間ファクタリングで10〜20%、3社間ファクタリングで2〜9%です。しかし、中には買い取る請求書に掛け目を設定している会社もあります。その場合、掛け目の目安は70〜90%です。
なるべく多く売掛金を現金化したい場合は、手数料と掛け目が低い会社を選びましょう。
売掛先企業への通知の有無
売掛先企業への通知の有無も確認が必要です。
売掛先企業に請求買取サービスの利用を知られたくない場合は、2社間ファクタリングの会社を選びましょう。なぜなら、2社間ファクタリングであれば売掛先企業への通知が無いためです。
請求書買取は取引先との信頼関係に悪影響を及ぼすこともあります。売掛先企業へ通知がいっても良いか否かによって、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを使い分けましょう。
面談の有無
面談の有無も選ぶ際のポイントです。なぜなら、会社によって面談を実施する場合と不要な場合があるためです。
オンラインで完結できる場合は非面談、書類や経営状況などを確認される場合は面談があります。面談が必要な場合、提出書類の準備などの手間がかかりますが、会社への信頼度も高まります。サービス会社は、面談がある場合と非面談の2つの形式があるため、面談の有無も選ぶ際の重要なポイントです。
フリーランスや個人事業主の利用可否
フリーランスや個人事業主が利用可能かどうかは会社によって異なるため、フリーランスや個人事業主の方が請求書買取を利用したい場合は、会社のホームページや電話で事前に利用可否を確認しておきましょう。
請求書買取サービスを利用して資金繰りの問題を解決!
資金繰りに困っていて、なかなか融資が受けられない場合は請求書買取での資金調達を検討しましょう。
買取可能限度額や手数料と掛け目などの取引条件は会社によって異なります。
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